試練 (Challenge):
1 銀座は海外ファッションブランドが主に3〜6丁目を中心の狭い場所に集積している激戦地。そこへの出店は海外ブランドとしての使命である。以前あった銀座店はトラフィックがほぼなく、移転は経営上の重要課題の一つであった。企業改善をCFOとしてやりつつ、店舗開発も指揮していたが、銀座で物件が出る情報は相当深いところでしか進行しない。売上好調ブランドは希望物件から退店はしないもの。
2 海外ファッションブランドの旗艦店出店のプロジェクトは、3方向になる。海外本社/株主との厳しい予算交渉と出店許可。貸主との条件交渉とブランド出店の情熱共有。社内の部署、MD(商品部)、VMD、物流、IT、店長選抜/スタッフ選抜、募集、工期と予算管理を同時進行させるタスク管理。そして地場の理解、近隣百貨店の理解。工期の遅れやタスクの遅れは開店日、そして旧店舗の閉店日を先に発表するので、許されない状況であった。
3 物件交渉、条件交渉、工期管理等は、長年協力的だったK氏の協力が大きかったが、海外ファッションブランドの厳しさは、海外本社の経営判断とそのオーナー企業の経営判断を仰ぐプロセスで、長期化しない事が必須。また日本という極東の場所に投資をするという決断を仰ぐには、日本市場の有望さをアピールし銀座の競合状態を説明し、日本に投資を、そして銀座に開店を、という厳しい説得交渉が必要。財務/英語力/情熱を必要としていた。日本支社のキーパーソンの協力と海外本社の理解者を増やす努力も必要であった。
物語(Story):
1 物件情報をいち早く掴み、早速、老舗の伝統的な物件オーナーに面談。競合ある事は事前に聞いていたが、なぜCole Haanがこの1階にあるべきか?という情熱を語る。対本社には日本市場の解説者であり、対オーナーに対してはブランドアンバサダー(ブランドの代表者代行)という面を発揮しないといけない。
2 物件情報、賃貸条件、図面、店舗開店時の必要投資額、採算性と将来事業計画像を数字も含めて精緻に作成し、本社交渉を行うが、やり取りをやりながら厳しい条件獲得を本社も要請。NY5番街の一等地に有名旗艦店をもっているので、譲れない部分も多々ある。日本の特殊性を解説しつつ、今度はビルオーナーに掛け合う行動。
3 閉店の決断内容を旧ビルオーナーに説得交渉も同時進行。さらに、各部署が本当にできるのかという疑念を払拭しつつ鼓舞し、開店への情熱の火を絶やさない。店長候補は外部採用を決断、銀座の他ブランドの店長クラス/スタッフの給与と予算の調整。
4 NYとの時差と株主企業の時差を考えると、早朝、深夜の電話交渉がメイン。日本支社では他にも多くの経営課題を処理しつつの日々。必要に応じてNY本社への出張。短時間での各主要役員達の説得と支持とりつけ。やがて、幸運な事に、物件場所を見に行くと言われ、その予定調整。来日時はフルに接し、銀座自体の最新状況を歩きながら実地ビルを見せて合意を強化させる。
5 海外ファッションブランドの店舗設計の競合と決定も厳しい審査が海外本社からある。無事決定したが、NY5番街の店とは違う独自の店舗外観を主張し承認を貰いつつ、図面がまた海外本社の指示、希望で二転三転。予定管理側からは、綱渡の悲鳴が連日。
6 退店もビルオーナー側が納得してくれ、日にち決定、そこで開店日も時期をずらさないタイミングで設定。店長決定、販売員の教育(旗艦店/銀座)実施、特別商品の手配、輸入、POSレジ等備品手配確認。フルオーケストラの指揮者のような気持ちの日々。広告宣伝活動、開店セレモニー等はもう専門部署に任せた。 無事の開店。
学び(Takeaway):
交渉力、情熱、タスク管理、それらの総合的な組み上げでファッションブランドは開店
